バイオCCS導入に対する適地の特定

2015年度修士 小林 翔太


 (→English)

近年、気候変動を緩和する方法として、バイオCCSが注目を集めています。これは、バイオマスからエネルギーを得る際に生じる二酸化炭素を分離・貯蓄する技術です。

 

この研究では、バイオCCSを西日本で導入する場合に、どこが二酸化炭素の分離・貯留地として最適かということを分析しています。また、その際にかかるコストも算出しています。

例えば、2030年の社会を、気候変動について中程度の状態から厳しい状態にしたい場合を考えます。

 

本研究では、こういった場合に対して、左図に示したように、二酸化炭素の分離・貯留地として導入される場所と導入率を求めることが出来ます。さらに、導入した際のコストも示すことが出来ます。

 

一方で、各設備にかかるコストや二酸化炭素削減目標の条件などを変えると、導入される場所・導入率・コストも変化します。

 

左図:(a) 二酸化炭素分離地の導入率, (b) 二酸化炭素貯留地の導入率

このように、様々な仮定に対して、バイオCCSの適地やコストが分析できます。ただし、バイオCCSはまだ一般的な技術ではありません。だからこそ、気候変動に対してどう取り組むべきか、その際にバイオCCSはどういった役割を果たすか、といったことを考える際に、この研究が貢献できると考えます。