こんにちは、土居です。3日目以降更新が途絶えてしまいましたが、先日無事に帰国しました。
ということで3~5日目分はまとめて更新させていただきます。
3日目の朝は早起きして、ティンプーから車で2時間ほど川沿いを下ったところにあるChhukha水力発電所へ。1986年に完成したブータンで最初に作られた水力発電所です。
写真に移っているのはペルトン水車と呼ばれる水車で、ブータンでは多くの水力発電所でこの形式の水車が使われています。Chhukha発電所には4つの水車と発電機が設置されており、河川流量が豊富な雨季にはそれらをフルで活用できるものの、乾季には1~2個しか使えないそうです。
内部は撮影禁止だったのでお見せできませんが、今の時期はちょうど乾季なので使われていない部分を見学させてもらうことができました。頭ではわかっているつもりでしたが、河川の水から電気が生み出される過程を実際に見学して、より詳細に知ることができました。
午後からは、ブータンの様々なセクターの方(森林、農業、水資源、水力発電など)を交えてワークショップが始まりました。
ブータン側の方からは、今後どのように「カーボンニュートラル」な国づくりを進めていくのかについて、我々日本側は、河川流量・水力発電量の将来推定の結果や、社会シナリオごとのCO2排出・吸収量推定の結果などを発表しました。活発な議論が行われ、とても有意義になワークショップになった思います。
写真の右の方にも見えると思いますが、ブータンではいたるところに国王の写真が飾ってあります。いかに国民にとって大切な存在であるかがわかりますね。
自国の未来に関することとだけあって、これだけ自分たちの研究に興味を持って真剣に聞いてくださる方々の前で発表するのは初めてで、いろいろなフィードバックがもらえたり議論ができたことがとても嬉しかったです。また、これからの研究も頑張らねばというモチベーションにもなりました!
以下、載せきれなかった写真を少しだけ。
ブータンの首都、ティンプーの街並みです。
春らしい天気のおかげもあって、とても穏やかな気分になれました。
現在、ブータン人口の20%ほどがティンプーに住んでいます。今回3回目の訪問である鼎先生曰く、1年前と比べても車の数がかなり増えているとのこと。このまま都市化が進んでいくことは避けられないことかもしれませんが、ブータンらしさを保ちながら発展していって欲しいです。
ワークショップに参加した方々との会食。夏に鼎研にいらしたNorbuさん、Dawaさんをはじめ、たくさんの方が今回の場を作ってくださいました。みなさんお世話になりました!
下の写真にずらっと並んでいるのは、ブータンの各地から集まった織物屋さんです。ブータンでは昔から各地域で独自に伝わる模様をした民族衣装などの織物が作られてきました。ブータンではその伝統を保全しようという動きがあり、このように織物屋さんをティンプーに集めたり、この近くにその技術を伝える博物館付きの学校などがつくられています。
短い日程でしたが、なかなか行くことの出来ないブータンという国で、とても刺激的で貴重な1週間を過ごすことが出来ました。最後になりますが、今回ブータンに行かせてくださった鼎先生、一緒に行動した藤岡さん、今回の渡航を取りまとめてくださった西岡先生、五味先生、石川さん、ありがとうございました。