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静岡現地調査 清水編

M1の松永です。今回は台風15号で被害のあった静岡市へ現地調査へ行ってきました。まず訪れた清水区は、静岡市の東部にある区です。今となっては静岡市の一部ですが、清水は静岡とはまた別に人口も多く栄えている街だと思います。

始めに訪れたのは、興津川にある承元寺取水堰です。ここは、清水の市街地からは離れていますが、清水区の多くの地域に水道水を供給している取水堰になります。ニュースでも取り上げられていましたが、この取水口に流木などが侵入し利用できなくなったことで、広い地域で断水を招いていました。

私は、清水区の8割にあたる6万3千世帯の水道水が1つの取水堰から取水されているということは知りませんでした。今回の大規模な断水があり、一部の施設に頼ったインフラを整備しているということにとても驚きました。見学へ行った日も多くの流木が挟まっており、作業員の方が手作業でそれらを取り除いていました。自衛隊に派遣要請をした翌日だったので、隊員の方も来ていました。9/27の時点で、工業用水を利用して生活用水を確保することはできていたそうですが、思うように水が使えない・飲めないというのはとても大変なことだと思います。

また、この地域でも川の越水は起こっており、道路や住宅が浸水した痕跡が残っていました。堤防を水が超えるというよりは、堤防が少し切れている部分から水が流れてきたのだと住民の方が教えてくださいました。

 

 

次に訪れたのは、清水の市街地です。鉄道の駅や商店街がある街の中心部の近くにはすぐ近くに巴川が流れています。巴川は河床勾配が1/250-3500とかなり勾配の緩やかな河川です。そのことから水が溜まりやすく、浸水しやすいです。今回の台風では巴川の水も越水し、広い範囲で浸水が発生していました。

左に見えているのが巴川とその堤防、奥に見えているのが静岡‐清水を結ぶ静岡鉄道の橋です。道路にはまだ砂が残り、堤防にも浸水深の痕跡が残っています。浸水深は1mほどだと推定されます。

 

浸水したままの地下道です。新清水駅を降りてすぐのところです。

 

小学校で行われていた給水の様子です。この日から生活用水が出るようになっていたので、訪れる人は前日までと比べて少な目でしたが、絶えず人が来ていました。ここには静岡県湖西市と富山県高岡市の給水車が来ていました。遠いところから給水に来てくださり感謝です。

 

幹線道路も浸水の跡がありました。

 

 

私自身は災害の現場を見学したのは初めてだったので、その光景に驚くことが多かったです。実際に見てみて当たり前かもしれませんが、ハザードマップは大げさではなく本当に起こりうる災害を描いているのだと改めて実感しました。人が住んでいる街で本当に災害が起こることを私自身がリアルには想定できていなかったのかなと思わされました。将来災害事業に関わることがあれば、災害はいつか必ず起こるものだという臨場感を持って業務に携わりたいと思いました。

また、実際に訪れてみることで、復旧の早さにも驚きました。浸水した地域では、住民の皆様が助け合いながら土砂の除去などを行っていたり、そもそも私たちが訪れた時点ではすでに作業が終わっていたりしました。もちろん行政の対応や周囲からの支援も重要ですが、最後に自分の命・生活を守るのは自分なのだと、自助の精神も感じました。