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ドイツ留学記ープラハ旅行記ー


部屋で1人でお酒を飲むという選択肢の存在感が強くなりつつあります、どうも藪和史です。

 

私は今、ドイツのミュンヘンにいます。

 

交換留学という形で、ミュンヘン工科大学にて授業履修を行っています。

 

今回の日記では、学期が始まる前に訪れたチェコ・プラハでの思い出を、ぼやけた記憶を辿りながら書き綴りたい(以下常体と敬体が入り乱れる)。

 

留学中の初海外旅行先(ドイツから見て)としてプラハを選んだのは、ミュンヘンからの距離が近く、また主要な観光名所が比較的密集していることが大きい。

 

難易度が低いと思われたプラハ旅行を、今後の旅行のための試金石としようと考えた。

 

プラハへは、中央駅近くのバス停からFlix Busを利用して片道5時間。格安の移動手段として名高いFlix Busを初めて利用した。

 

出発場所が合っているかどうかという不安に晒されながら、1時間遅れでバスが出発する。

 

Flix Busには色々な型があるらしく、今回私が乗ったのは2階建てのものだった。カマキリのようなライトグリーンで塗られた車体がよく目立つ。

 

金曜日の早朝の便であったが、座席はほとんど埋まっている。しかし私の隣の座席に座る者はいなかった。

 

身体がゴツく、かつ真顔の時の目つきが良くない(?)からか、例えば日本の電車では私の両横の座席がぽっかりと空いていることが多い。

 

車内に入ってきた人間が車内を一瞥し、空いている座席を把握する。そして空いている座席の中から選ばれるのは、私の横の座席ではない、ことが多い。

 

そんな時私は、他の競合他者数人と共に「僕と付き合ってくださいっ」と勢いよく身体を折りたたみながら好きな人に向かって差し出し、そして取ってもらえなかった右手のような気持ちになる。

 

今回もそんな気持ちに一瞬なりかけたが、自分を待ち受ける道のりの長さを思い、込み上げた安堵と嬉しさによって吹き飛ばされた。

 

プラハに到着し、5時間ぶりの自由を手に入れる。

 

バスを降りると、ミュンヘンと景色が大きく変わることはないのだけれど、外国に来た(ドイツから見て)ことに対する興奮に思わず「おお〜」という声が漏れる。

 

プラハで訪れたい場所はあらかじめ決めていた。

 

Google mapを眺めながら、まずはミュシャ美術館へと向かう。

 

と道を形作る石畳の細かさに気がつく。よく見る(ミュンヘンでよく見る)石畳は20cm四方くらいの石板で構成されているのだけれど、プラハのそれは3cm四方くらいのより細かな石板で構成されている。

 

ハイヒールを履いた人間がその石畳で50m走を行えば、10人中8人は石畳の隙間にハイヒールの足を引っ掛けて捻挫する気がする、くらいの細かさ。

 

アルフォンス・ミュシャはチェコ出身のアール・ヌーヴォー(19 世紀末から20世紀初めにフランスを中心に欧州で流行した芸術様式。植物模様や流れるような曲線が特徴(デジタル大辞泉))を代表する画家で、生前多くのポスターや装飾パネル、カレンダー等を制作した。

彼の作品は星、宝石、花(植物)などの様々な概念を女性の姿を用いて表現するスタイルと、華麗な曲線を多様したデザインが特徴である。(Wikipediaより)

 

淡い色を組み合わせた色使いがとても綺麗で、好きだ、と思った。

絵を縁取る黒い線が印象的だった。

 

その後、

歪んだ建物が踊っているように見えるダンシングハウスや、プラハ最古の石橋・観光カレル橋、旧市街広場や天文時計など、プラハ市内の観光名所を巡る。

 

めちゃくちゃ歩いた。

 

夕ご飯にはチェコ料理のSvíčková(スヴィチコヴァー)を食べてみた。

煮込んだ牛肉に野菜と生クリームで作ったソースがかけられており、それをクリードネキ(茹でパン)とともに頂く。肉の美味しさを引き立てるため、レモンやジャムが添えられていた。

 

その味を表現する語彙力と感性がないのが非常に残念ではありますが、日本では食べたことのない味でした。美味しかったです。

 

でもめちゃくちゃお腹が空いた状態で夕ご飯の選択肢として納豆卵ご飯とSvíčková(スヴィチコヴァー)の2つがあるとしたら、前者を選ぶかもしれない。

 

1日目のハイライトは、めちゃくちゃ大々的なカウントダウンを行った上で始まったプロジェクションマッピングが、絶妙に微妙だったことです。

 

絶妙なプロジェクションマッピングに対する戸惑いが会場に満ち、謎の一体感が生まれていた、ような気がする。



2日目は宿泊したホステル近くにあった、ローカルレストランでの朝食から始まった。

 

地元のおじさんが新聞を読みながら朝食をとっている。そんな落ち着いた雰囲気のお店。

 

「このレストランで1番人気のチェコ料理をお願いします」

 

Google翻訳でチェコ語に翻訳しマスターにお願いすると、「Smažák(スマジャーク)」というチェコ料理が出てきた。

 

チーズを揚げた大きなフライが2つと、その脇に茹でたジャガイモとタルタルソース、紅白なます的なサラダが添えられた一品。

 

チーズ自体は一般的なものより淡白なのだけれど、それが揚げられているとなると破壊力がすんごい。

 

めちゃくちゃお腹が空いていたから三口目までは美味しかったのだけれど、徐々に体力を奪われていく。

 

結果は完敗でありました。2つ目のチーズフライを半分くらい残したまま、席を離れることとなりました。少なくとも今年で1番しんどかった気がする。

 

吐きそうになりながら、主要な観光名所が点在する区域から、川を挟んで対岸にあるプラハ城を目指す。

 

プラハ城は世界で最も古くて大きい城としてギネスに認定されている。

 

かつてはボヘミア国王や神聖ローマ皇帝の居城として利用され、現在はチェコ共和国の大統領府として利用されている。

 

実際に大統領府の前では銃剣を持った兵隊さんが微動だにせず直立しており、その微動だにしなさ(?)が私には衝撃的だった。プロだった。

 

実際にプラハ城はめちゃくちゃデカくてかつデザインは緻密で、その壮大さに正面から見た時には思わず声が出た。

 

今回の旅行の中で1番心が動いた瞬間だったと思う。

 

その後プラハ城周辺の、

 

ストラホフ修道院(「哲学の間」と「神学の間」という美しい図書室で知られている。海洋生物などの剥製が展示されており、個人的にはそれが面白かった。)や、「変身」などで有名なカフカが以前仕事場として利用していた家を訪れた。

 

めちゃくちゃ歩いた。



3日目・最終日はバス停の近くにあった国立博物館を訪れた。

 

石ゾーンがすごく面白かった。昔から綺麗な石が好きで、デルトラクエストの宝石とかはもうドストライクだった。

 

世界中の本当に色んな種類の石が並べられていてとても美しかった。色とりどりの石たちを一つずつじーっと眺めていると、社会見学で博物館を訪れていたちびっ子たちにジーッと見つめられた。いや誰が展示物や。

 

僕はオパールが1番好きで、

結婚指輪はオパールをあしらったものがいいな、なんて思うんだけれどなに考えてんねんて感じよな。

 

もう一つ、展示が完成されるまでの過程を記録した映像がすごく面白かった。あの大きな鯨や、マンモスのオブジェを本物そっくりに作る職人さんがいるらしい。

 

そんな感じで2日半の観光を終え、行きと同じくFlix Busで帰独。

 

ちなみに帰りのバスでは食べ放題で出てくるフカヒレスープのフカヒレくらいしか人がいなかった。ので、2階の1番後ろの5席を贅沢に使い、チェコからミュンヘンまでワープして帰りました。

 

ハイヒールでは歩けない街・プラハ旅行記でした。たくさん歩きました。